2013年4月14日日曜日

Vive la France! フランス留学 ~ Université Lumière Lyon2, Watanabe Eri


文学部社会学研究室4年の渡辺絵理です。フランスのリヨン第2大学に、昨年9月から留学しています。サークルは@homeで、他に東北大学ボランティア支援室とTEDxTohokuの運営に携わっています。高校生の時にイギリスに一年滞在していましたので、留学は今回で2度目になります。ですので、私が今回の留学で感じていること・考えていることなどは、他の留学生に比べて少し変わっているかもしれません^^; ただ、留学の現実的な部分も分かっていただけるかと思います。

リヨン第2大学へ留学しているトンペイ2人組(右が私)
-リヨン2で行われた留学説明会にて



【花の木曜日】


フランスでは「花金」ではありません!「木曜日」です!そのため、金曜日は授業をとらないという学生も多いようです。それから、これはヨーロッパの学生に共通していることでしょうか?授業で寝ている人が少ない…フランス人曰く「教室で寝るくらいなら、授業に行かないで家で寝る」だそう。


フランスのナイトライフ

…と学生生活に色々と差はありますが、授業の形式は日本とほとんど変わりません。私の学校にでは、授業は少人数クラスのTDと大教室で行われるCMに分かれており、TDは予習や復習が必要なタイプです。授業は先生によって千差万別で、先生がただ前で話しているのを学生が黙々とノートをとるタイプのものもあれば、視覚資料などを多用する先生もいますし、映画・音楽・演劇学科もあるため、実技を伴う授業もあります。留学生は、学部・学年に関係なく授業を選択でき、ごく僅かですが、留学生向けの授業・英語で開講されているクラスもあります。その他は全てフランス語です!理解度に関しては、事前知識があり、且つプリントや視覚資料があれば、大筋は理解できるといったところですが、単純にどれくらいフランス語を聞きとれるかと言われると…ノーコメントにしておきます(笑)中学校からフランス語を習っている、仏検2級を持っているという他の日本人留学生でも、専門の授業となると半分も聴き取れない…それくらいフランス語は難しいです!フランスに希望している方は、お金がかかっても、語学学校などで留学前にしっかりオーラルを鍛えてきた方が良いかと思います。(観光地や一部の外資系チェーン以外は)フランスではあまり英語が通じないので、留学当初は日常生活でも困ることが多かったです。ちなみに、私はフランスに来てからの半年間、学校の授業をとりながら語学学校にも通っていました。


体育の授業?!

ところで、リヨン2にはサークル活動がほとんどありません!(フランスではグランゼコールにはあるようですが、一般的な大学にはあまりないようです。)留学生と現地の学生が交流できるようなイベントもありません!そのため、授業のグループワークなどで一緒になるか、何か偶然の出会いがなければ、なかなか現地の学生と仲良くなるは難しいです…その代わりなのでしょうか、体育の種類が豊富で、スキーやロッククライミングから、サーカスという謎のスポーツまでたくさんあります。実際、一番現地の学生と話す機会が多く、仲良くなれたのが体育の授業です。ちなみに私は水泳と馬術を選択しました!



TEDxINSAとTEDxTohokuのコラボ!


ということで、フランス語を話したり、コミュニティーを広げたりする機会は、大学外で作るようにしています。リヨンにある言語交流のカフェや他大学のイベントに参加したり、東北大学に留学していたリヨンの学生に友達を紹介してもらったり、機会があれば積極的に外に出るようにしてきました。最近では現地の友達も増え、楽しい学生生活を送っています!また、課外活動に関してしては、日本にいるころから取り組んでいたTEDxや復興支援関連の活動に引き続き携わっています。



【フランスは美味しい?】


リヨンはフランス第2の都市で、フランスの首都だったこともあります。とはいっても、人口135万人(噂によると日本人は3000人?)、緑が多いこともあり、仙台に似ている気がします。ルネサンス様式の旧市街地は世界遺産に指定され、毎年12月に開催される「光の祭典」では街中の建物がライトアップされます。私の寮からは世界遺産の教会が見えますし、暖かい日には、古代ローマ遺跡まで歩いて行って読書をし、ソーヌ川沿いのマルシェで買い物をした後には、旧市街地のブション(リヨンでのレストランの呼び方)で昼食、という理想のフランス生活を満喫しています。(そんなことはこれまで数回しかしていませんが…笑)


ブションで昼食

何といってもリヨンは「美食の街」。フランスの中でも特に料理がおいしいと言われ、ミシュランのレストランも数多くあります。フランスに来る以前は、「イギリスは不味く、フランスは美味しい」というレッテルを不快に思っていました。個人的にはイギリス料理はおいしいと思うのですが…ここにきて、フランスの食文化は確かにすばらしいと認めざるをえませんでした。「食材や料理が豊富」といった方が正しいと思いますが、チーズ・肉・加工食品の種類が豊富で、料理も地域によって多種多様です。また、フランス人は全般的に薄味で(学食や一部のレストランは薄過ぎますが…)、英米に比べても野菜を良く食べますし、日本人の食生活には合うと思います。そして、昼食は12:00-14:00(長すぎる!)、夕食は20:00からと決まっており(なので夜のニュースもこの時間に始まります)、典型的なフランス人の家庭では前菜・メイン・チーズ・デザートとしっかりコースで食べるようです。そして何より日本人に嬉しいのが、物価、特に食材が安いこと。(最近は円安で変わってきていますが…)フランスワインも日本の1/6~1/3の価格で買えるので、ワイン好きの私にはたまりません!


【憧れのフランス?】


Vive la France!(フランス万歳!)という題は最近公開されたフランスの映画タイトルから拝借しました…2人のテロリストがフランス人に翻弄され、目的を果たせないままフランスを横断し、最終的にフランスに愛着を抱くというコメディです。彼らがフランスで経験するカルチャーショックには、フランスに住んだことのある誰もが共感を抱くはずです。


リヨンの旧市街地

フランスの魅力は、そこに留まっているだけでは発見できません。はっきり言って、フランス人は公共精神に乏しく(フランスの通りはゴミだらけ、落書きのない建物はありません!)、思ったことはすぐに表情に表わし、外国人や異文化に対して保守的で、何事にも時間と手間がかかり(銀行や携帯ショップに行ってみてください…)、日曜日はレストランと映画館と教会以外はすべて閉まり、事務処理がかなり適当で(大学の事務などでも人によって言うことが違う!)、治安が悪く(私の周りでも盗難・恐喝・ナイフを持った人に追いかけられた等々の経験をした人がいます…が警察は何もしてくれません!)、貧富の差が目に見えて明らかです(子供にも物乞いされます)。イギリスではほとんど経験しなかったカルチャーショックを、ここにきてたくさん体験しています。

支庁舎で行われたコンサート

ただ、私もフランスを旅する中で、またフランス人と接する機会が増える中で、この国が愛される理由が少しずつ分かってきたと思います。運よく海外経験に恵まれているためか、ちょっとのことでは感動しない私ですが、遺産や景観の保全・芸術に格差を作らない(美術館や世界遺産は学生無料。オペラやクラシックコンサートは学生8ユーロ!)・食事に時間をかける・ヴァカンスを楽しむ、といったフランスの文化には敬服しますし、最初は距離を感じても、つたないフランス語でもこちらが話そうと努力すれば、最終的には心を開いてくれる国民性なのだと理解できるようになりました。



【留学を考えている方・フランスを希望している方へ】


学問:1年という短い期間の中では、現地の生活に慣れるまで時間がかかり、また帰国後の学習や進路についても考えなければならず、落ち着いて勉強やその他の活動に取り組めるかというと、(個人差はあると思いますが)難しいと感じます。特に第2外国語での留学を考えている方は、相当語学力がない限り、専門の授業を理解するのは厳しいと考えて下さい。語学の勉強と割り切っている方は良いと思いますが、そうでなければ英語圏ももう一度視野に入れても良いと思います。(英語圏でも思っていたような専門の勉強ができず悩んだという先輩の声は良く聞きましたが…)また、帰国後の進路についてもあらかじめ決めておくと気が楽です。留学の時期も、冬からの方が日本の教育システムに合っていて良いかもしれません。


Asian Weekに向けてひたすら巻きずしを作る

現地の学生との交流:こちらの大学には留学生をサポートする仕組みや団体があまりないこともあり(リヨン2には日本語学科もありませんし…)、自ら積極的に行動しないと現地でのコミュニティーは広がりません!(ある意味、日本にいた時の方が、人と出会う機会は多かったような気がします。東北大学にも、@homeTUFSACoffee Hour、チューター制度、サマープログラムその他、留学生と交流したり、外国語を使ったりする機会はたくさんあります。)まさに大学1年生をもう一度やる感じです…右も左も分からない所から始まり、やっと勉強や課外活動が軌道に乗って、新しいことを始めるぞ!というときには帰国です。(私が言えることではありませんが)何のために留学するのか、留学中に絶対やりたいこと・達成したいことは何か、留学が自分の進路や将来にどう関わってくるのかなど、しっかり考えておくことが大切だと思います。


フランスの学生はホームパーティーが大好き!

住居:本気でその国の文化や言語を理解したいと考えている方には、シェアルーム(寮でもアパートでも)またはホームステイをおすすめします。もちろん、ルームメイトやホストファミリーにはあたりはずれがありますが…個人部屋の寮に住んでいる私にとって、住まいに関しては一番の後悔していることです。


【最後に】


私は留学前にしたかったことと、今やりたいことが全く違うため、今回の留学を評価するとなかなか良い点数はつけられません。以前の留学や日本での生活と比べてしまい、悩むことも多かったのですが、ここにきて帰国後の進路をじっくり考えることができましたし、より大胆になれた気がします(笑)残りの2ヶ月、楽しく充実した毎日にしていきたいと思います!

2013年4月10日水曜日

そろそろ雪溶けないかな~University of Wisconsin-Maidison


はじめまして。
工学部機械知能・航空工学科3年の浅野です。

20128月下旬より、アメリカはウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)に留学しています。
この記事がアメリカへの留学や工学部生としての留学の参考になればいいなと思っています。


留学のきっかけ

 自分は大学に入学した時からアメリカへの留学というものには興味がありました。というのも、アメリカは航空宇宙に関して世界で最も研究の進んだ国であり、世界中から優秀な人がアメリカに行くので、そのような人に囲まれて勉強してみたいと思っていたからです。ただし、それは大学院での正規留学の話であって、学部在学中に交換留学をしようとは全く考えていませんでした。なので、留学に関しては全く調べず、英語も3年になってから勉強を始めればいいやなどと思っていました。しかし、2年生の後期が始まったある日、親から一本の電話がありました。

 「東北大学には交換留学のプログラムがあるみたいだけど、申し込んでみたら?大学院留学の様子見にもなるし・・・」

 確かにそれもアリだなと思い、この電話をきっかけに学部留学を決心しました。

 留学を決心したものの、英語を大学に入ってからまともに勉強していなかった自分にとっては初めてTOEFL IBTを受験したときはかなり難しく感じました。ちなみに点数は60点を下回りました()。その後3ヶ月間、英語のみ集中的に勉強した結果85点まで点数を伸ばすことができ、第1志望ではないですが、希望する大学への留学が決まりました。

 TOEICとは異なり、IBTはライティングやスピーキングも試験内容に含まれます。これらは、短期間で点数を伸ばすのが非常に困難なので、IBTが要求される大学を希望される方は半年以上前から準備することをオススメします。ライティングの添削などは、いままでお世話になった英語の先生にお願いすれば快く引き受けてくれると思います。スピーキングに関しては、とにかく喋る練習をするべきだと思います。基本的に英会話教室はお金がかかるので、東北大学に留学している外国人にお願いするといいと思います。

そしてアメリカへ

マディソンでの生活

 僕はinternational learning community といわれる、留学生や外国語を学んでいる学生が住んでいる寮に住んでいます。この寮はいくつかのコミュニティーに分かれているのですが、特に自分の所属しているコミュニティーはイベントが多いため、サークルなどに入らなくても十分留学生活を楽しむことができます。学校にもよりますが、international student用の寮の方が比較的イベントも多くて盛り上がっているのでオススメします。


 




 とはいえ、寮だけでは変化がないので、「kai wa no kai」というその名の通り日本人と日本語を勉強している現地の人が集まって会話をするという会が毎週1回あるので参加しています。留学してまで日本人と話すのは嫌だという人もいますが、現地の日本人の大学院生や、他の大学からの留学生の話を聞くのはかなり面白いので、参加して見ることをおすすめします。また、このような所で現地の人と仲良くなって、お互いに日本語と英語を教えあうということをしている人もいます。


学校の施設内にあるビリアード場に行った時の様子

これぞアメリカンサイズ!

授業

宿題が難しすぎて頭を抱える自分と、
なぜか深夜にお茶を立て始めた同じ量に住む日本人
結局一晩かけてもわからなかったため、諦めました(笑)
 自分の履修している授業は1科目3単位の授業が多く、すべての授業で毎週大量の宿題が出されます。なので、必然的に毎日夜遅くまで図書館で宿題をするような生活になります。授業のスケジュールも日本と異なります。自分の受講している授業は50分×3回のものがほとんどなので授業の進度は早く、セメスターを通じて広い範囲を深く学ぶことができます。また、midterm  examがセメスターに2,3回あるので、こつこつと予習復習しないと試験前に対策する時間がなくなり、悲惨なことになります。実際、自分は前期の第1回のmidterm examで十分に準備することができずに爆死しました(笑)


 こちらに来てまず驚いたのは、生徒が授業中に積極的に質問するということです。こちらの生徒はいい意味で自己中心的なので、日本みたいに授業中に質問すると他の生徒の迷惑になるなどとは考えていないようです。授業中に質問できなければ、どんなにくだらない事でも先のoffice hourを利用して質問しに行って解決しましょう。こちらの大学の生徒をサポートするシステムはしっかりしていますが、日本にいる時のようなな受け身の姿勢では、何も得ることはできません。


 よくアメリカの授業では毎回discussionするようなことを聞くかと思います。しかし、工学部の授業では必ずしもそうではないです。そのかわり、授業に関連した内容の実験が毎週あったり、グループプロジェクトがあったりします。先学期履修したGas Dynamicsという大学院生用の授業では、グループで授業内容に関連したことに関して調べ、そしてコンピュータを用いてシミュレーション行い、クラスの前で発表するというプロジェクトが課されました。英語でレポート書いたことも、プレゼンを行ったこともなく、工学部で用いられるソフトウェアに関しても全く知らなかった自分でしたが、グループのメンバーに発表の仕方や、ソフトの使い方を教えてもらったおかげで乗り切ることができました。グループプロジェクトなどでは、自分が留学生で英語が得意ではないと主張すれば親切に助けてくれます。 


 また、よくアメリカ人よりもアジア人の方が数学に強いから有利ということを留学前などに耳にするかと思います。実際、自分も最初はそう思っていて、成績簡単に取れるんじゃないかと高を括っていましたが、留学してそれが間違いだということがわかりました。というのも、アメリカには多くの中国人や韓国人の留学生いて、クラスによっては1/3以上がアジア人ということもあります。つまり、工学部などでは理系の科目が得意なアジア人の中でいい成績を取らなければいけないということになります。

オバマ大統領が大学で大統領選の演説した時の様子

大学の裏にあるLake Mendota
冬になると全面凍ります

留学に興味のある方へのアドバイス

 迷っているなら取り敢えず交換留学に申し込んだほうがいいと思います。留学して世界中の人と触れ合うと、自分がいかに狭い世界で生きていたのかがわかります。特にアメリカには各国から優秀な人が留学してくるので、刺激を受けること間違いないです。同時に、日本から留学している他の大学の人の話を聞くことで、仙台にいては知ることのできないような大学生活や就活に関する情報を得ることができます。特に、自分みたいに大学院での留学を考えている方は、留学することをオススメします。

 結局グダグダで、まとまりのない文章になってしまいごめんなさい。こんな私で良ければ皆様に協力しますので、英語の学習法や留学に関してなどで聞きたいことがあれば気軽に下記のアドレスにメールを送って下さい。

asano*fluid.mech.tohoku.ac.jp(メール作成時は*を@に変えてください)