2013年4月14日日曜日

Vive la France! フランス留学 ~ Université Lumière Lyon2, Watanabe Eri


文学部社会学研究室4年の渡辺絵理です。フランスのリヨン第2大学に、昨年9月から留学しています。サークルは@homeで、他に東北大学ボランティア支援室とTEDxTohokuの運営に携わっています。高校生の時にイギリスに一年滞在していましたので、留学は今回で2度目になります。ですので、私が今回の留学で感じていること・考えていることなどは、他の留学生に比べて少し変わっているかもしれません^^; ただ、留学の現実的な部分も分かっていただけるかと思います。

リヨン第2大学へ留学しているトンペイ2人組(右が私)
-リヨン2で行われた留学説明会にて



【花の木曜日】


フランスでは「花金」ではありません!「木曜日」です!そのため、金曜日は授業をとらないという学生も多いようです。それから、これはヨーロッパの学生に共通していることでしょうか?授業で寝ている人が少ない…フランス人曰く「教室で寝るくらいなら、授業に行かないで家で寝る」だそう。


フランスのナイトライフ

…と学生生活に色々と差はありますが、授業の形式は日本とほとんど変わりません。私の学校にでは、授業は少人数クラスのTDと大教室で行われるCMに分かれており、TDは予習や復習が必要なタイプです。授業は先生によって千差万別で、先生がただ前で話しているのを学生が黙々とノートをとるタイプのものもあれば、視覚資料などを多用する先生もいますし、映画・音楽・演劇学科もあるため、実技を伴う授業もあります。留学生は、学部・学年に関係なく授業を選択でき、ごく僅かですが、留学生向けの授業・英語で開講されているクラスもあります。その他は全てフランス語です!理解度に関しては、事前知識があり、且つプリントや視覚資料があれば、大筋は理解できるといったところですが、単純にどれくらいフランス語を聞きとれるかと言われると…ノーコメントにしておきます(笑)中学校からフランス語を習っている、仏検2級を持っているという他の日本人留学生でも、専門の授業となると半分も聴き取れない…それくらいフランス語は難しいです!フランスに希望している方は、お金がかかっても、語学学校などで留学前にしっかりオーラルを鍛えてきた方が良いかと思います。(観光地や一部の外資系チェーン以外は)フランスではあまり英語が通じないので、留学当初は日常生活でも困ることが多かったです。ちなみに、私はフランスに来てからの半年間、学校の授業をとりながら語学学校にも通っていました。


体育の授業?!

ところで、リヨン2にはサークル活動がほとんどありません!(フランスではグランゼコールにはあるようですが、一般的な大学にはあまりないようです。)留学生と現地の学生が交流できるようなイベントもありません!そのため、授業のグループワークなどで一緒になるか、何か偶然の出会いがなければ、なかなか現地の学生と仲良くなるは難しいです…その代わりなのでしょうか、体育の種類が豊富で、スキーやロッククライミングから、サーカスという謎のスポーツまでたくさんあります。実際、一番現地の学生と話す機会が多く、仲良くなれたのが体育の授業です。ちなみに私は水泳と馬術を選択しました!



TEDxINSAとTEDxTohokuのコラボ!


ということで、フランス語を話したり、コミュニティーを広げたりする機会は、大学外で作るようにしています。リヨンにある言語交流のカフェや他大学のイベントに参加したり、東北大学に留学していたリヨンの学生に友達を紹介してもらったり、機会があれば積極的に外に出るようにしてきました。最近では現地の友達も増え、楽しい学生生活を送っています!また、課外活動に関してしては、日本にいるころから取り組んでいたTEDxや復興支援関連の活動に引き続き携わっています。



【フランスは美味しい?】


リヨンはフランス第2の都市で、フランスの首都だったこともあります。とはいっても、人口135万人(噂によると日本人は3000人?)、緑が多いこともあり、仙台に似ている気がします。ルネサンス様式の旧市街地は世界遺産に指定され、毎年12月に開催される「光の祭典」では街中の建物がライトアップされます。私の寮からは世界遺産の教会が見えますし、暖かい日には、古代ローマ遺跡まで歩いて行って読書をし、ソーヌ川沿いのマルシェで買い物をした後には、旧市街地のブション(リヨンでのレストランの呼び方)で昼食、という理想のフランス生活を満喫しています。(そんなことはこれまで数回しかしていませんが…笑)


ブションで昼食

何といってもリヨンは「美食の街」。フランスの中でも特に料理がおいしいと言われ、ミシュランのレストランも数多くあります。フランスに来る以前は、「イギリスは不味く、フランスは美味しい」というレッテルを不快に思っていました。個人的にはイギリス料理はおいしいと思うのですが…ここにきて、フランスの食文化は確かにすばらしいと認めざるをえませんでした。「食材や料理が豊富」といった方が正しいと思いますが、チーズ・肉・加工食品の種類が豊富で、料理も地域によって多種多様です。また、フランス人は全般的に薄味で(学食や一部のレストランは薄過ぎますが…)、英米に比べても野菜を良く食べますし、日本人の食生活には合うと思います。そして、昼食は12:00-14:00(長すぎる!)、夕食は20:00からと決まっており(なので夜のニュースもこの時間に始まります)、典型的なフランス人の家庭では前菜・メイン・チーズ・デザートとしっかりコースで食べるようです。そして何より日本人に嬉しいのが、物価、特に食材が安いこと。(最近は円安で変わってきていますが…)フランスワインも日本の1/6~1/3の価格で買えるので、ワイン好きの私にはたまりません!


【憧れのフランス?】


Vive la France!(フランス万歳!)という題は最近公開されたフランスの映画タイトルから拝借しました…2人のテロリストがフランス人に翻弄され、目的を果たせないままフランスを横断し、最終的にフランスに愛着を抱くというコメディです。彼らがフランスで経験するカルチャーショックには、フランスに住んだことのある誰もが共感を抱くはずです。


リヨンの旧市街地

フランスの魅力は、そこに留まっているだけでは発見できません。はっきり言って、フランス人は公共精神に乏しく(フランスの通りはゴミだらけ、落書きのない建物はありません!)、思ったことはすぐに表情に表わし、外国人や異文化に対して保守的で、何事にも時間と手間がかかり(銀行や携帯ショップに行ってみてください…)、日曜日はレストランと映画館と教会以外はすべて閉まり、事務処理がかなり適当で(大学の事務などでも人によって言うことが違う!)、治安が悪く(私の周りでも盗難・恐喝・ナイフを持った人に追いかけられた等々の経験をした人がいます…が警察は何もしてくれません!)、貧富の差が目に見えて明らかです(子供にも物乞いされます)。イギリスではほとんど経験しなかったカルチャーショックを、ここにきてたくさん体験しています。

支庁舎で行われたコンサート

ただ、私もフランスを旅する中で、またフランス人と接する機会が増える中で、この国が愛される理由が少しずつ分かってきたと思います。運よく海外経験に恵まれているためか、ちょっとのことでは感動しない私ですが、遺産や景観の保全・芸術に格差を作らない(美術館や世界遺産は学生無料。オペラやクラシックコンサートは学生8ユーロ!)・食事に時間をかける・ヴァカンスを楽しむ、といったフランスの文化には敬服しますし、最初は距離を感じても、つたないフランス語でもこちらが話そうと努力すれば、最終的には心を開いてくれる国民性なのだと理解できるようになりました。



【留学を考えている方・フランスを希望している方へ】


学問:1年という短い期間の中では、現地の生活に慣れるまで時間がかかり、また帰国後の学習や進路についても考えなければならず、落ち着いて勉強やその他の活動に取り組めるかというと、(個人差はあると思いますが)難しいと感じます。特に第2外国語での留学を考えている方は、相当語学力がない限り、専門の授業を理解するのは厳しいと考えて下さい。語学の勉強と割り切っている方は良いと思いますが、そうでなければ英語圏ももう一度視野に入れても良いと思います。(英語圏でも思っていたような専門の勉強ができず悩んだという先輩の声は良く聞きましたが…)また、帰国後の進路についてもあらかじめ決めておくと気が楽です。留学の時期も、冬からの方が日本の教育システムに合っていて良いかもしれません。


Asian Weekに向けてひたすら巻きずしを作る

現地の学生との交流:こちらの大学には留学生をサポートする仕組みや団体があまりないこともあり(リヨン2には日本語学科もありませんし…)、自ら積極的に行動しないと現地でのコミュニティーは広がりません!(ある意味、日本にいた時の方が、人と出会う機会は多かったような気がします。東北大学にも、@homeTUFSACoffee Hour、チューター制度、サマープログラムその他、留学生と交流したり、外国語を使ったりする機会はたくさんあります。)まさに大学1年生をもう一度やる感じです…右も左も分からない所から始まり、やっと勉強や課外活動が軌道に乗って、新しいことを始めるぞ!というときには帰国です。(私が言えることではありませんが)何のために留学するのか、留学中に絶対やりたいこと・達成したいことは何か、留学が自分の進路や将来にどう関わってくるのかなど、しっかり考えておくことが大切だと思います。


フランスの学生はホームパーティーが大好き!

住居:本気でその国の文化や言語を理解したいと考えている方には、シェアルーム(寮でもアパートでも)またはホームステイをおすすめします。もちろん、ルームメイトやホストファミリーにはあたりはずれがありますが…個人部屋の寮に住んでいる私にとって、住まいに関しては一番の後悔していることです。


【最後に】


私は留学前にしたかったことと、今やりたいことが全く違うため、今回の留学を評価するとなかなか良い点数はつけられません。以前の留学や日本での生活と比べてしまい、悩むことも多かったのですが、ここにきて帰国後の進路をじっくり考えることができましたし、より大胆になれた気がします(笑)残りの2ヶ月、楽しく充実した毎日にしていきたいと思います!

2013年4月10日水曜日

そろそろ雪溶けないかな~University of Wisconsin-Maidison


はじめまして。
工学部機械知能・航空工学科3年の浅野です。

20128月下旬より、アメリカはウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)に留学しています。
この記事がアメリカへの留学や工学部生としての留学の参考になればいいなと思っています。


留学のきっかけ

 自分は大学に入学した時からアメリカへの留学というものには興味がありました。というのも、アメリカは航空宇宙に関して世界で最も研究の進んだ国であり、世界中から優秀な人がアメリカに行くので、そのような人に囲まれて勉強してみたいと思っていたからです。ただし、それは大学院での正規留学の話であって、学部在学中に交換留学をしようとは全く考えていませんでした。なので、留学に関しては全く調べず、英語も3年になってから勉強を始めればいいやなどと思っていました。しかし、2年生の後期が始まったある日、親から一本の電話がありました。

 「東北大学には交換留学のプログラムがあるみたいだけど、申し込んでみたら?大学院留学の様子見にもなるし・・・」

 確かにそれもアリだなと思い、この電話をきっかけに学部留学を決心しました。

 留学を決心したものの、英語を大学に入ってからまともに勉強していなかった自分にとっては初めてTOEFL IBTを受験したときはかなり難しく感じました。ちなみに点数は60点を下回りました()。その後3ヶ月間、英語のみ集中的に勉強した結果85点まで点数を伸ばすことができ、第1志望ではないですが、希望する大学への留学が決まりました。

 TOEICとは異なり、IBTはライティングやスピーキングも試験内容に含まれます。これらは、短期間で点数を伸ばすのが非常に困難なので、IBTが要求される大学を希望される方は半年以上前から準備することをオススメします。ライティングの添削などは、いままでお世話になった英語の先生にお願いすれば快く引き受けてくれると思います。スピーキングに関しては、とにかく喋る練習をするべきだと思います。基本的に英会話教室はお金がかかるので、東北大学に留学している外国人にお願いするといいと思います。

そしてアメリカへ

マディソンでの生活

 僕はinternational learning community といわれる、留学生や外国語を学んでいる学生が住んでいる寮に住んでいます。この寮はいくつかのコミュニティーに分かれているのですが、特に自分の所属しているコミュニティーはイベントが多いため、サークルなどに入らなくても十分留学生活を楽しむことができます。学校にもよりますが、international student用の寮の方が比較的イベントも多くて盛り上がっているのでオススメします。


 




 とはいえ、寮だけでは変化がないので、「kai wa no kai」というその名の通り日本人と日本語を勉強している現地の人が集まって会話をするという会が毎週1回あるので参加しています。留学してまで日本人と話すのは嫌だという人もいますが、現地の日本人の大学院生や、他の大学からの留学生の話を聞くのはかなり面白いので、参加して見ることをおすすめします。また、このような所で現地の人と仲良くなって、お互いに日本語と英語を教えあうということをしている人もいます。


学校の施設内にあるビリアード場に行った時の様子

これぞアメリカンサイズ!

授業

宿題が難しすぎて頭を抱える自分と、
なぜか深夜にお茶を立て始めた同じ量に住む日本人
結局一晩かけてもわからなかったため、諦めました(笑)
 自分の履修している授業は1科目3単位の授業が多く、すべての授業で毎週大量の宿題が出されます。なので、必然的に毎日夜遅くまで図書館で宿題をするような生活になります。授業のスケジュールも日本と異なります。自分の受講している授業は50分×3回のものがほとんどなので授業の進度は早く、セメスターを通じて広い範囲を深く学ぶことができます。また、midterm  examがセメスターに2,3回あるので、こつこつと予習復習しないと試験前に対策する時間がなくなり、悲惨なことになります。実際、自分は前期の第1回のmidterm examで十分に準備することができずに爆死しました(笑)


 こちらに来てまず驚いたのは、生徒が授業中に積極的に質問するということです。こちらの生徒はいい意味で自己中心的なので、日本みたいに授業中に質問すると他の生徒の迷惑になるなどとは考えていないようです。授業中に質問できなければ、どんなにくだらない事でも先のoffice hourを利用して質問しに行って解決しましょう。こちらの大学の生徒をサポートするシステムはしっかりしていますが、日本にいる時のようなな受け身の姿勢では、何も得ることはできません。


 よくアメリカの授業では毎回discussionするようなことを聞くかと思います。しかし、工学部の授業では必ずしもそうではないです。そのかわり、授業に関連した内容の実験が毎週あったり、グループプロジェクトがあったりします。先学期履修したGas Dynamicsという大学院生用の授業では、グループで授業内容に関連したことに関して調べ、そしてコンピュータを用いてシミュレーション行い、クラスの前で発表するというプロジェクトが課されました。英語でレポート書いたことも、プレゼンを行ったこともなく、工学部で用いられるソフトウェアに関しても全く知らなかった自分でしたが、グループのメンバーに発表の仕方や、ソフトの使い方を教えてもらったおかげで乗り切ることができました。グループプロジェクトなどでは、自分が留学生で英語が得意ではないと主張すれば親切に助けてくれます。 


 また、よくアメリカ人よりもアジア人の方が数学に強いから有利ということを留学前などに耳にするかと思います。実際、自分も最初はそう思っていて、成績簡単に取れるんじゃないかと高を括っていましたが、留学してそれが間違いだということがわかりました。というのも、アメリカには多くの中国人や韓国人の留学生いて、クラスによっては1/3以上がアジア人ということもあります。つまり、工学部などでは理系の科目が得意なアジア人の中でいい成績を取らなければいけないということになります。

オバマ大統領が大学で大統領選の演説した時の様子

大学の裏にあるLake Mendota
冬になると全面凍ります

留学に興味のある方へのアドバイス

 迷っているなら取り敢えず交換留学に申し込んだほうがいいと思います。留学して世界中の人と触れ合うと、自分がいかに狭い世界で生きていたのかがわかります。特にアメリカには各国から優秀な人が留学してくるので、刺激を受けること間違いないです。同時に、日本から留学している他の大学の人の話を聞くことで、仙台にいては知ることのできないような大学生活や就活に関する情報を得ることができます。特に、自分みたいに大学院での留学を考えている方は、留学することをオススメします。

 結局グダグダで、まとまりのない文章になってしまいごめんなさい。こんな私で良ければ皆様に協力しますので、英語の学習法や留学に関してなどで聞きたいことがあれば気軽に下記のアドレスにメールを送って下さい。

asano*fluid.mech.tohoku.ac.jp(メール作成時は*を@に変えてください)


2013年3月26日火曜日

Sydney city I can`t stop~The university of sydney~ZOU SHU

皆さんこんにちは!
かろうじて3年生にあがれそうな 工学部化学バイオ工学科の 鄒 舒です
(日本名:都 千夏 もあるので千夏さんって呼んでもよろし)

さて、私が去年の7月から留学していた"university of Sydney"にいてお話したいと思います。

ハリーポッターが撮影された場所でもあるオーストラリア最難関の大学です。
金曜ロードショー見ました?!この前の!

こんな由緒ある大学ですが施設はりっぱ!
じつはシドニー大学の学費は留学生だと一教科あたり 30万
しかも単位落とすと10万はらって再履修しないと卒業できないので
留学生はどんなに私服がダサかろうが髪がモサモサだろうが
金持ちです!$$$$$$$
お金のにおいがぷんぷんします


そんなシドニー大学ですが、いいとこも沢山あります例えば授業はもちろん録画しており資料もネットで見れて教授陣のいい授業と生徒のアクティブさ(質問攻めやポテト食べ攻め)どきついオージージョークなどなど
飽きないし、留学生も多いのでケアもしっかりしてます。
さらには人生をよりよく生きるセルフコントロールの授業などが無料で受けられて最高でした。
交換留学でいくとだいぶお得だね!

サークルについて
私は3つはいっていました

  • unimate 旅行とか交流サークル
  • hip-hop そのままです
  • chopsticks ABC(australia born Chinese)主催のサークルで週1回ゲームやバーべQする
  • 日本文化交流サークル 固い名前だがやってることはK-popのダンス練習笑
大学側が支援しているので400円ぐらい払ってメンバーになるとお菓子やピザ食べながら
ゲームしたり交流したり、最後まで残るとあまったお菓子大量にもらったり
昼にばーべQ すると昼食浮いたり笑 いいことずくしです。
 ここまで読むとたぶん私がすこぶるケチな印象をもたれる方もいらっしゃるかと思いますが
ケチではなく、節約家です!でも意味は一緒です!








さてさてこれからはまじめな話でもしますか!
ここで株上げとかないとね

2013年3月3日日曜日

~若気のItaly~ Politecnico di Torino, Masaru Saijo


ども。Politecnico di Toriono トリノ工科大学に留学中の工学部3年 西城大(masaru)です。

あんまオフィシャルなブログって慣れてないんですけど、お付き合いお願いいたします。

ただいま机に座ってタイピングしている僕の真後ろでは、フランス人のルームメイトがイタリア人の彼女といちゃついております。イタリア語を話す女性ってやっぱ色っぽいですね。
彼には後で渾身の肩パンを食らわせたいと思います。

さて、自戒、反省も含め、これから留学を志す後輩たちのために、イタリア留学前半期を振り返ってみます。
 
● イタリア留学
● トリノでの生活
● Politecnicoの授業
● 旅行
まとめ

こんな感じで。ちょっと長くなっちゃったので、興味のあるところだけでも参考にしてもらえれば。




【イタリア留学】

なんで留学するの?なんでイタリア?なんでトリノ?っていろんな人から聞かれます。

正直聞かれるたびに迷ってしまう。

エンジニアの基礎固め、国際共通言語での学習・生活、国際協調性の鍛練、欧州の宇宙開発・産業への興味、
欧州の中心であり欧州を回りやすい、イタリアトップの工科大学のあるトリノ(フランス国境近くの北イタリア)
欧州に住む憧れ、趣味のイタリア語、本場カフェテリアめぐり、オペラ、ジャズ、芸術、イタリア人の人間性(のイメージ)への興味、憧れ
某映画の影響などなど

まぁでも、たくさんの理由が重なり合いすぎてもはや深い理由なんてないのかもしれません。

そもそも行動してから考えるタイプで、自分が体験したことのない、おもしろそうなものにはとりあえず飛びこんでみたかった。おおざっぱにいうとそんな感じです。


もちろん、留学をするにあたってたくさんの方々に協力をしていただきました。その際にはしっかりこちらでやること、目標を話します。
アカデミックな話、語学レベル、奨学金、キャリアプラン、世界にでる日本人としての自覚、などなど、、


ただ、そういった具体的な話はあとで深めることができるので、
海外に行きたい!と思ったらそのノリのまま国際交流センターに駆け込んでみるといいかもしれません。学生にこんなに素敵なチャンスをくれる環境を無駄にする手はないです



日常英会話の教科書FRIENDS
男性陣は面白いし女性陣は美人で素敵なドラマ
留学前の語学力はひどいものでした。Politecnicoが語学力の指定をしていなかったので無理やり留学しましたが、初めの数カ月はなかなか大変でした。
サークルや学部の授業で語学に費やす時間をうまく捻出できず、1年かけてもTOEFLの成績が一点も上がらないという悲劇を留学直前に味わいました。
とは言っても、元からの趣味である洋楽の和訳やジブリ映画の英語版観賞、ドラマ「フレンズ」で日常会話にはある程度慣れていたので、日常生活に関しては点数の割にスムーズに進んだと思います。


イタリア語に関しては、[Politecnicoの授業]後半で。



【トリノでの生活】
リビングでのクリスマスパーティ。夜中の3時とか。

僕はFoyer di Torinoという、大学に紹介してもらった、YWCAという団体が運営してるアパート(?)で生活しています。住民の4割が交換留学生、2割が正規学生、4割が一般のイタリア人(シェフとかアレーニアのエンジニアとか職探し中の人とか)というところで、学寮でもありホームステイのようでもあり毎日わいわいやってます。

おっさんと「神とは何か」について語ったり。TシャツはAngry Bird Space

1階には大きなリビングがあって、大学が終わるとたいていそこに行ってブラジル人の友達とチェスしたりイタリア人とWiiでドンキーコングやったり勉強したりピアノ弾いたりしてます。
一般の人や半年の短期留学生も多いので、人の入れ替わりが割と多くいつも飽きないですね。
英語は日常語としてもうだんだん慣れてきて、そろそろイタリア語メインにシフトしたいところだけどなかなか難しい。。。


0時を超えた後に来るボーカルの方々がマジで素敵.Jazz Club Torino

毎週水曜日は近くにあるジャズクラブが入場無料で、よく遊びに行って雰囲気に酔いしれてます。

寮から街の中心まで徒歩10分、大学まで徒歩15分、バス3分という好立地で、街中にあるレンタルサイクル(1年間で€30)を使ってたいていどこでもいけます。








【Politecnicoの授業】
僕はもともと宇宙航空工学科で、「大気圏に突入する機体まわりの熱気体力学」とかを研究するはずなんですが、昨年鳥人間サークルで人力飛行機のフェアリング(ボディ)設計を経験して、もっと「設計」に関して学びたい、経験したいと思っていました。
というわけで前半期には機械工学科の「Machine Design」をメインに、「Manufacturing Process」や「イタリア語講座」とかをとりました。


与えれられた図面からCADでモデリング。
条件を満たすように再設計。
Politecnicoに交換留学する場合、かなりおおざっぱに分けると建築系と機械系の授業があって、どちらかを選んでその中の授業をどれでも取ることができます。
自分は東北大学の必須科目への単位互換が必要だったので、初めから受ける授業はほぼ決まっていました。運よく、自分のやりたい授業(=実践的な設計)がそのまま東北の必須科目(すでに使いこなしてる設計ツールの使い方入門)にうまく交換できたのもPolitecnicoを選んだ理由の一つです。ただ、交換できても同等の単位数とは限りません。Machine Designは日本の単位に換算するとだいたい7単位(授業内容は後述。当東北の必須科目は2単位)。場所によっては、必須科目のせいで忙しくやりたい科目が取れないなんてこともあるかもしれませんので、大学の授業内容と単位を早めに確認して事前に担当の教授と話すことをおすすめします。

Machine Designの授業は1コマ3時間。休憩は先生によってまばら。
授業は理論と実習に分かれていて、理論のほうは普通の座学形式、
実習では、理論の授業をもとに製品を設計して図面にまで書き起こす授業。
机に座ってるだけの授業よりも、頭を使って手を動かす学習をしたかったので、この授業は自分にぴったりでした。
二段式のspeed reducer. 
入力値と使用年数が与えられて
座学の知識を使って設計

ただまぁ後で知ったんですが、この授業は機械工学科のすべて詰まっているような授業で、合格するのは正規学生でもかなり難しいみたいです。
試験は筆記・CAD(設計ツール)・口述の3形式。第一回筆記はクラスの6割くらいが落ちて大惨事でした。(試験は二回まで。筆記とCAD両方受かると口述試験を受験可。どこかで失敗すると時期セメスターに繰越)
Politecnicoは3年で卒業なんですが、たいていの生徒はこの3年時の授業で合格できず4年目に突入するようです。
かくいう自分も、現在試験期間真っ最中で、最後の口述試験に向けて設計レポートを仕上げている最中です。

こういう授業の情報や難易度、形式などは、シラバスに載っているとはいえ、初めからすべてを理解するのはなかなか難しいと思います。現地の生徒と触れて、先生と話して、ようやく全貌が見えてきます。自分にとって最適な授業となるかは受けてみて初めてわかるのかもしれませんね。とりあえず面白そうなものをとって、生徒教授とふれあう中でたくさんのことを学ぶという心構えがいい気がします。

初めのうちは教授が何を言ってるのかまったくわからず、ほとんど頭に入ってきませんでした。
ただ、そうして何もしなくては得られるものはないと、授業の終わりや休みの日に教授の話を聞きに行くようになりました。
日本でこういうことはしたことがなかったのですが、授業の話を教授に直接聞きにいくというのはとても面白いですね。授業では聞けない教授の話、授業で本当に伝えたいこと、大学の話などなど。
国際学会に出向いたり名の知れた先生の講演会にいくのも面白いですが、「自分の授業の教授に話を聞きに行く」というのは、身近な環境を最大限にいかすいい方法じゃないかと。日本に帰っても実践する予定です。


多分ヨーロッパならどこの大学もそうですが、その国の言語コースが必須科目になってます。
イタリア語の授業の先生は典型的イタリア人の大人女子。英語は全く使わず、簡単なイタリア語とハイテンションでなんとかする感じの授業でした。
東北大学経済学部のコーヒーアワー。1授業20円
大学によっては一定の語学力がないと交換留学できないようですが、Politecnicoはそのへんがゆるく、イタリア語ほぼ無勉強の僕でも問題なく行けました。

留学前にはイタリアからの留学生がやってるコーヒーアワー
というのに、留学半年前から月2くらいで参加してました。現地の留学生と日本で仲良くなれる機会なのでぜひ参考にしてみてください。工学部1年時では第二言語の授業でイタリア語がなかったのが残念です。
勉強する時間がとれるなら現地語の勉強をしていったほうがいいかとは思います。早い段階からネイティブとスピーキングの練習ができるので、成長も早いと思います。
ただ、「事前勉強ほぼ0で現地習得したほうがおもしろくてカッコよくね?」って感性の持ち主は、無理やり英語圏以外の国に行ってみるのもありだと思います。実際大変だけど楽しいです。
「現地語が話せない」=「英語は生きる最低限のスキル」なので、英語も急速に伸びます。



【旅行】
せっかくヨーロッパに来てるんだから、勉強だけじゃもったいない。
というころで旅行したところを軽くまとめてみます。



 

まずは居住地Torino。日本から友達が遊びに来てくれた時になんどもこの場所に来てるから慣れてしまった。
小さな山Monte dei cappuciniから見えるトリノの名物Mole Antonelliとアルプスの山々







友達と建築展示会に来たついでに寄ったMilano。ドゥオーモという大聖堂です。
この大きさはぜひ肉眼で確かめてほしいです。圧倒的です。
地下鉄の駅から外に出た瞬間、目の前にそびえたつこの建築には言葉が出ません。





デジカメの電池が途中で切れる悲劇。
トリノの東南、Genovaです。
水着もないのにみんなで海に飛び込んで遊んでたら、実はプライベートビーチでイタリア人のお兄さんにめっちゃ怒られました。
イタリア語だったので何言ってるかまったくわかりませんでした。





マイナーどこNo.1 Bussoleno ハイキングに最適な場所と地元で有名な小さな町です。駅を出た途端に爽やかな空気に包まれて、目の前には雪をかぶったアルプスの山々が。このハイキングを企画してくれた子が道を間違えて本気でロッククライミングしたのはいい思い出です。

マイナーどこNo.2 Bardonecchia
スキーで有名なフランスの国境近くのゲレンデです。まさにおフランスでスキーしてきました。
股に挟むタイプのリフトがすっぽ抜けてアルプスの山を転がり落ちました。




「耳をすませば」で天沢誠司が留学する街、Cremona
バイオリン職人の作業場の入り口でガラスにへばりついてガン見していたら中に入れてくれました。
まさに「見ると聞くとは大違いさ」
クレモナにはイタリアで三番目に高い鐘楼トラッツォが。バイオリン見習いの人が登ると卒業できなくなるというジンクスがあるそうです。もちろん登ってきました。

イタリアといえばここ、Venice
サングラスをかけたボーダーTシャツのいかしたおっさんにゴンドラを漕いでもらいました。
天気は雲ひとつない青空で、水の都にふさわしい旅でした。
海沿いのレストランで食べたボンゴレパスタうまし。




今後は、紅の豚に出てきた街、クロアチアの「ドブロブニク」
ポルコロッソのアジトと噂のギリシアの「ナヴァイオ海岸」
国際宇宙大学のキャンパスがあるフランスの「ストラスブール」
などに行ってくる予定です。金がないです。


【まとめ】
なんとなく憧れていた留学や欧州での生活というものに対して、少しずつ見えてきたことがあります。
それは、どこにいっても同じだということ。
正直言って、どこでも一緒なんです。
外国人とふれあうこと、外国の雰囲気を経験すること、日本語以外の言語で暮らすこと、
そこそこ慣れてしまえばなんてことはない、いつも通りの生活です。
世界各国から様々なバックグラウンドを持った人たちが集まって共同生活をする、
その中で、自分と違う相手の意見を尊重する。自分の意見を主張する。集団の和を大事にする。不都合がある際には話し合う。相手を気遣う。
程度の差はあれ、普段の生活でしていることです。
相手が黒かろうが眼が細かろうが女好きだろうがガリ勉だろうが同じ人間です。いい奴もいればうざい奴もいる。
外国だからとか、違う人種だからとか肩肘張らず、同じ人間として接する。
そういった普通のことを普通だと再認識し、普通にできるように努力するようになったこと。それが今回の留学での大きな収穫です。
新しい環境、新しい言語、新しい価値観。その中にも社会で生きていくうえで、人間として共通するものがあると思います。

隣国とのいざこざや、民族国柄の違いによる偏見、差別はなくなることはないかもしれない。
それでも、世界に出て誰かと友達になれたら、少し世界の見方が変わるかもしれません。
みなさんの留学応援しています。


2013年2月11日月曜日

シンガポールでの留学生活あれこれ~National University of Singapore. 高橋宗徳

シンガポール国立大学に留学中の、経済学部2年の高橋です。




○動機○
 貧困の改善に役立てる仕事っていいな、っていう気持ちを抱いて、じゃあ日本もまだ影響力のある東南アジアを扱わない理由は無いと考えて、東南アジアについて勉強するならNUSでしょ。っていう理由で決めました。英語が母国語というのも魅力的に感じました。



○留学生活○
 留学の様子をつらつら書きますので、留学迷ってる人は判断材料に、留学決まってる人は準備の参考にしてもらえれば嬉しいです。


 勉強が基本!ということで、まずは学校の様子から。基本的に授業はレクチャーとチュートリアルがセットになっています。
 レクチャーはみんなで教授の話を聞くやつです。それでも、教授は頻繁にクラスに質問して、学生も発言の機会を虎視眈々と狙っています。最初はグイグイだな〜(苦笑)と思いましたが、回りの空気に気を使ってばかりで沈黙が続くより授業は躍動感あって良いなと今は思っています。チュートリアルというのは、少人数によるプレゼン&ディベートの時間で、教授によって要求は違います。参考までに、バリエーションをちょっとあげると、

Development Economics:リーディングを担当の2、3人が読み、内容を40分のプレゼンにまとめて発表。スライドだいたい80枚とか。担当はセメスター間に2まわりで、もはやグループのメンバーとは”戦友”。。

Money, Business, and Social Network:リーディングと、それに関係した質問についてあらかじめ回答を提出、教授含めて10人くらいで輪になり1時間半考えを交換しあう。リーディングはタウンページみたいですが、議論って楽しいなって学びました。


という感じです。チュートリは予習と積極性しかありません。まわりで予習してない学生にまず出会ったことが無いので、ちょっと最初は言葉を失いましたが、というか、こいつらなんなん気持ち悪ッ!て思いましたが、そんな感じで学生は非常に勤勉です。シンガポールは大学のグレード=就活なので、みんな"人生をかけて"完全なる相対評価のなかグレードの争奪戦が日夜繰り広げられています。


 遊びの予定をあらかじめ入れたら、ほかの時間はほぼリーディングかプレゼン作りで消えます。まわりも勉強してるのであんまり苦じゃないです(そう自分に言い聞かせてみる。がんばれ、おれ)

 自分の場合は、興味のむくがままに取りたい授業を取りました。結果、案の定ヘビーなんですけど、教授/TA/クラスメートの応援のもと、まぁなんとかかんとか。下の盗撮された写真みたいに、本科生の経済学部の上級生のお世話になることもしばしばありました。



結局、暇なスケジュール、簡単なクラスでいくより、毎日の充実感、遊びに対しての一生懸命さ(なにそれ笑)も強めで、いい選択だったと思ってます。



 寮はめっちゃ綺麗で、25階建ての中級ホテルって感じです。前期は4人部屋を英、仏、韓国人とシェア。後期は6人部屋をベトナム、香港、ラオス、インドネシア、パキスタン人とシェアして住んでます。ルームパーティも頻繁にして、ルームメイトの友達もみんな顔見知りなんで、みんなで楽しくやってます。


ルームメイトのフランス人、イギリス人

 学校外の活動としてNUSの大学病院で患者の子供たちと遊ぶボランティアを最初のセメスターからはじめて、半年続けてます(写真上)シンガポールリーグに所属して、週一でサッカーもしてます(写真下)






 旅行も結構いって、ベトナムを台湾人の彼女と陸路横断したり(もう別れました。)、インドネシアのジャワ島を電車で横断したり、あとはタイ、マレーシアのバス旅行。なにか移動手段あたりの情報で薄々感づくかもしれませんが、みんな貧乏旅行です笑
 ベトナムはチームメイトのベトナム人の友達に、インドネシアは東北大のインドネシア人の友達に、タイは当時彼女のおじさんに、宿や案内をお世話になりながら旅させてもらいました。本当に感謝!旅自体がいい思い出でなんですが、授業で東南アジアについてやっているので、現地で自分の目で講義内容を確かめることができることもあって、テンションあがります。そういう意味でも興味深かったです。



東北大でチューターをしていた友達を訪ねてインドネシアへ




サッカーチームのオランダ人とタイのピピ島ランタ島旅行


 留学中に限りませんが、というこの留学自体がそうですが、興味があったらまず実行、だめなら反省、始める前に悩んでも結果なんて分かんないし時間ももったいないかな、っていう意識のもとで、いろいろ首を突っ込んでます。そういう姿勢で臨めるのも学生の今のうちかな、と思って。いまのところ、あんまり後悔することはありません。始まる前に心配していたことより、実際もっと大きい成果がみえることが多いので。



 最後に、僕の誕生日にベイサンズで友達にパーティをしてもらった時の写真です。40人以上来てくれました。ツインルームに(笑)ほんと、友達にも恵まれて最高の留学をさせてもらってます。





 以上、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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 では簡単で恐縮ですが、まだまだ真夏のシンガポールより。